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培養肉関連技術動向調査、ゲノム編集食品の安全性について

2月 17, 2023
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培養肉関連技術動向調査、ゲノム編集食品の安全性について

今回フードテックに関する官庁からの資料について、少しご紹介をしたいと思います。

*特許庁より発表されている特許出願技術動向調査について

特許庁から特許出願技術動向調査というものが発表されています。とても内容の充実した資料で、私も事務所や会社勤めの時からよく参考にしていました。

その中で、ニーズ即応型技術動向調査の化学分野、令和3年度は培養肉関連技術に関するものでした。

https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/index.html#needs

https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/document/index/needs_2021_culturedmeat.pdf

ニーズ即応型技術動向調査「培養肉関連技術」について、その内容を特許出願の動向をメインに、簡単にかいつまんで以下にご紹介します。

  • 特許出願動向としては2016年頃から出願数が増加傾向にある模様
  • 出願人の国籍は、中国籍、米国籍、日本国籍、韓国籍、欧州国籍の順に多い
  • 出願件数の各国間の動向としては、他国への出願としては、米欧日の順に多く、中国から他国への出願は少ない模様
  • 出願件数上位出願人ランキングとしては、中米日韓欧と続き、その他ではイスラエル国籍、香港籍出願人とのこと
  • 日本国籍出願人としての上位ランクインは、テルモ株式会社、学校法人東京女子医科大学、インテグリカルチャー株式会社
  • 技術区分別で出願件数をみると、動物細胞の種類では牛、豚、哺乳類その他限定なし、その後鳥類、魚類・甲殻類と続き、筋肉系細胞の種類のうち、筋肉細胞の骨格筋細胞、製造条件のうち、無血清、低血清培地を用いるもの、組織培養をしているもの(足場を使用するものなど)の技術区分において、出願件数の増加の傾向が特に顕著である
  • 動物細胞の種類の牛については、米国籍の件数が多く、近年増加傾向にあるとのこと
  • 組織培養をしているもの(足場を使用するものなど)のフアミリー件数は、米日欧中の順に多いとのこと
  • 多くの技術区分において、中米への出願が多い傾向にあるが、筋肉分化細胞の筋芽細胞、無血清、低血清培地を用いるものの技術区分は、日本への出願が一番多い模様
  • 培養肉に特徴のある発明にかかる出願について、多くの技術区分において米国への出願が一番多い傾向にあり、欧中と続いている

この分野は今急速に技術開発や市場への参入が進んでいるので、今後特許出願についても色々な動きが出てくるかと思われます。

*ゲノム編集食品の安全性について

やはり最新技術の盛り込まれた食品というと、どうしても気になってしまうのがその安全性についてだと思います。特に培養肉といった今まで想定されていなかった形での食品が世に出てくると、その安全性について評価する目も厳しくなるかと思います。

厚労省から、遺伝子組換え食品とゲノム編集技術応用食品等について、パンフレットが公表されています。

遺伝子組換え食品

ゲノム編集技術応用食品等

ゲノム編集技術応用食品等については、「新しいバイオテクノロジーで作られた食品について」というパンフレットが開示されており、ゲノム編集技術については6頁に簡単な説明がされています。

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000657810.pdf

また、安全性確保の手続きについては11頁以降に説明があります。ゲノム編集食品については、基本的に厚労省への届出だけで済む点が、必ず安全性審査を経る遺伝子組み換え食品との大きな違いとなります。一方、ゲノム編集食品においても、遺伝子の組み込みなどのケースについては安全性審査がされるとのことです。
理屈としては、従来の突然変異とゲノム変異は現象としては同じで、ゲノム編集の場合も都合の悪い形質を持つ変異は交配と選抜を経て取り除かれるので、健康への悪影響が問題になる可能性は非常に低いと考えられるということのようです(パンフレット10ページ参照)。

官庁の資料は一般向けにわかりやすい説明がされている場合も多いので、適格な資料を探し当てるまでが大変だったりもしますが、今後も是非参考にしていただければと思います。